2023年3月15日(水)~17日(金)に東京ビッグサイトにて【第2回 脱炭素経営EXPO】が開催されました。昨年に続き、今年も見学に行ってまいりました。
昨年度の様子はこちらのレポートをご覧ください!
ゼロカーボンコンサル、GHG排出量の見える化、コーポレートPPA、省エネソリューションなどなど……同時開催の「スマートエネルギー Week 春」「サーキュラー・エコノミーEXPO」と合わせ、今年の脱炭素経営EXPOでは、世界30カ国から1,200社の脱炭素ソリューションが出展されていました。
一般参加とはいえ、我々もただ会場内を見て回っていたわけではありません。今回は印刷会社らしく?出展企業が配布している印刷物にフォーカスし、会場内で実際に手に取られる印刷物の環境配慮の表記の有無をリサーチしてみました。
リサーチをして意外だったことは、配布されていた印刷物への環境アピールが予想外に少なかった点です。
国内最大級ともいえる環境イベントで配布された印刷物の実態を、皆様にお伝えします。
印刷物への環境配慮とは?
今回の【第2回 脱炭素経営EXPO】に出展されていた約140社のうち、上場企業を中心とした60社のブースへと訪問し、配布されている印刷物を手に取りました。
当社のこれまでの実績を踏まえ、裏表紙に環境マークの表記またはアピールがあるかどうかを調査項目とし、比較対象を平均化するため会社案内など企業を代表する印刷物をターゲットにしました。
- 出展企業140社のうち、60社訪問
- 裏表紙の環境マークや案内をチェック
- 会社案内など企業を代表する印刷物を対象
リサーチ結果→環境マークの記載は、出展企業140社全体で約4%未満
印刷物への環境対応表記は少なかった
印刷物を収集できたのは訪問した60社のうち36社(60%)、さらに環境マークやそれに関する案内の表記があったのは5社(14%)のものでした。出展企業140社全体では約4%未満となりました。
正直なところ、多くの企業で何かしらの対応やアピールがあり、マーク別の集計やトレンド分析ができる、と想定していたのですが、思ったような結果にはなりませんでした。その理由として考えらるのが、印刷物の種類です。
今回は主に会社案内の取得を目標にリサーチしていましたが、当然のことながら展示会では、伝えたいサービスのチラシやパンフレットなどを配布している企業がほとんどでした。さらにチラシやパンフレットは、デザインスペースの問題や直接的な目的の違いからか、環境に関する表記は殆どありませんでした。
普段の営業活動でも、印刷物の環境対応について案内すると、「そういう案件があれば」や「今回は環境を売りにしない」など、印刷物の内容や種類によって環境対応記載を行うかどうか、棲み分けられてしまうケースがあり、会社案内をターゲットにしたことが裏目に出た結果となってしまいました。
環境配慮への認知度や関心度にギャップがあるのでは?
今回のリサーチ結果から「印刷物を制作する立場によって、環境配慮の取組みへの認知度や関心度のギャップがあるのでは?」という疑問が浮かび上がりました。
企業規模にもよりますが、同じ企業内で印刷物を制作するにしても各部署・各担当者ごとの目的や環境マークへの認知度、関心度の違いが実際の印刷物への表記の有無に少なからず影響しているのでは、と感じました。
おそらく今回私たちが手に取った印刷物自体に環境対応関連の記載がなくても、同じ企業の別の印刷物には記載があるケースも多いのではないかと推測できます。ですが、一般消費者を含めたすべてのステークホルダーに向けて環境対策を発信することは、脱炭素経営の一部として必要でしょう。企業ブランディングにおいても、より一層全社的な視点が不可欠ではないかと思いました。
そして、そのようなギャップを埋めていくことこそ、われわれ印刷会社の課題であると痛感しました。2月に発表された日経新聞の企業イメージ調査では、ESGの取り組みについての重要度が増しており、広告活動とともに積極的な情報発信が必要であるといった意見もあります。
文星閣ではカーボン・オフセットを始め、印刷物における環境対策についてご案内しています。ぜひお気軽にお問い合わせください。