石灰石を主原料にプラスチックや紙の代替製品として日本で誕生した「LIMEX」は、現在10,000社以上(2022年11月時点)に導入されました。皆さまも、さまざまなシーンでLIMEX素材にふれる機会が増えてきているのではないでしょうか?
私たち文星閣はこの新素材にいち早く注目し、LIMEXを開発・製造・販売している㈱TBMと、流通当初より当社のUV印刷機によるテスト印刷を通して関係構築し、製品やマーケット情報をもとに、印刷用紙の新素材としていち早く皆さまへご案内してきました。
今後も印刷会社として「LIMEX」を広め、サポートしていきたいと考えています。
環境対応紙としての「LIMEX」
SDG‘sや脱炭素経営など、社会全体での環境目標に準じて、これまで以上に印刷物への環境配慮が注目されています。
環境対応紙といえば、以前ならリサイクルペーパー(再生紙)が思い浮かばれましたが、最近ではFSC®森林認証紙や非木材紙など、環境対応印刷に求められる用紙にも、お客さまの関心がより広がっているように感じられます。
環境対応紙として生まれた「LIMEX」とともに、代表的なものをご紹介します。
非木材紙
針葉樹や広葉樹といった木材ではなく、食物繊維や農産副産物を原材料とした紙を非木材紙と言い、ケナフ・バガス・竹・バナナ・藁などから作られています。木材とは異なる風合いや質感とともに、原材料をイメージしやすく環境対応を伝えやすい用紙です。
エコパルプ(無塩素漂白パルプ)
用紙を抄造する際に行う漂白工程で、塩素を含む漂白剤を用いずに漂白されたパルプです。無塩素漂白パルプを使用した用紙はエコパルプとも呼ばれ、環境負荷を少なくできることから、商品説明やラベルには魚のマークが表示されています。
FSC®森林認証紙
適切に管理された森林の木材および管理原材料から作られた印刷用紙です。認証には森林管理を認証するFM認証(フォレスト・マネジメント認証)と、加工・流通過程を認証するCoC認証(チェーン・オブ・カスタディ認証)があります。文星閣はFSC®/CoC認認証(FSC®C017982)を取得しており、FSC®ミックス認証製品を提供できます。
再生紙(リサイクルペーパー)
リサイクルされた古紙を原料とする「再生パルプ」を使用した用紙です。以前は古紙100%がうたわれていましたが、製造過程での燃料消費やコストなどの観点から、最近ではR70などの製品が主流となっています。
「LIMEX」
石灰石を主原料に、炭酸カルシウムなど無機物が50%以上含む複合素材です。
①森林資源を一切使用しない ②水資源をほとんど使用しない
③耐久性・耐水性が高い ④アップサイクルできる
株式会社TBMの取り組み
㈱TBMは環境対応紙「LIMEX」を含め、様々な形で環境負荷削減の取り組みを行っています。ここではその代表的な事例をご紹介します。
紙とプラスチックの代替/「LIMEX」「Bio LIMEX」
「LIMEX」は天然資源の確保や、耐久性や耐水性の面などにおいて木材資源の用紙に比べ優れている点があり、商品ラベルや包装材料、カップなどの飲食用品などの代替品として利用され始めています。
また、印刷用紙だけではなくプラスチックの代替品としても注目されていて、一般的なプラスチックに対して石油樹脂の使用量を33%下げることができます。そのため燃焼時に発生する二酸化炭素等の温室効果ガスの排出量も、従来品に比べ少なく済みます。さらに、植物由来樹脂を使用して作られた「Bio LIMEX」は、温室効果ガスを50%減らすことが可能です。
資源循環事業/「CirculeX」
㈱TBMは2030年までに100万トンのLIMEXとプラスチックを50カ国で循環させる「TBM Pledge 2030」を目標に、カーボンネガティブの実現を目指しています。また、使用済みのプラスチックや石灰石を主原料とした再生素材「CirculeX」を用いて資源循環の促進も行っています。
プラスチックを再利用し使い捨てない傘製品「サステナブレラ」や、温室効果ガス排出を削減できる「使えば使うほど世界のプラごみを減らせるゴミ袋」など、全国でCirculeX製品の取り扱いを開始しています。これまで焼却や廃棄されてきた資源を再生資源として使うことにより、二酸化炭素の排出を減らすだけではなく、石油資源の保全にもつなげられます。
環境対応紙の新しい素材である「LIMEX」は、環境対応印刷を勧める文星閣にとって大きな可能性をもたらしました。
私たちは㈱TBMの取り組みに賛同し、「LIMEX」の普及と、持続可能な社会の実現を印刷会社として支えていきます。
㈱TBMのファンボイスページに、弊社CSO・奥 武士の応援メッセージが掲載されています。
こちらも是非ご覧ください。