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【水なしSTORY/Vol.1】文星閣のこれまで

「天高い星」を目指した道のり

 
今回は、文星閣の歴史を振り返っていきます。

「文星閣」という社名には、
文(出版、情報)を扱う事業で、
星(天高いところ)を目指す、
閣(高くそびえる建物)という意味が込められています。

どこまでも上を目指して進もう。
その想いと共にあったのが「水なし印刷」でした。

Contents

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1)文星閣の歩み

 1912年、大正時代の幕開けに「文星閣」は出版社として湯島に創業しました。しかし、相次ぐ戦争の混乱によって事業は中断してしまい、会社再興の足並みを整えられるようになるのは戦後を待つことになります。
1948年8月、組織を「株式会社文星閣」として改組し、いよいよ大田区北千束にて新たな第一歩を踏み出すことになります。 活版印刷を中心に設備を拡充し、印刷業として再スタートを切りました。
 事業が順調に進み業容拡大と共に人員も増えていった頃、当時の代表は充実した機械設備を持つ他社工場を見学し、「文星閣を大きな工場にしたい」という”夢”を持ち帰ったようです。それからほどなくして、1962年にはオフセット印刷機を増設し、活版印刷から平版印刷へと事業内容を大きく展開しました。
 その後 1971年、目黒区中根に新工場を建設し移転。 それまでの工場の機械だけではなく外国製印刷機を始めとする最新設備も導入するなど、総合印刷会社としての基盤を確立し、さらなる夢へと進んでいくことになります。

2)奥継雄と水なし印刷

 現在(※)日本WPA協会会長も務めている、文星閣代表・奥 継雄。
 1963年、奥は文星閣が印刷会社としての足固めを進めた時代に生まれました。幼い頃より印刷現場に親しんでいました。学生時代からは文星閣でアルバイトとして働くようになり、製本・製版・刷版・印刷・営業といった各部門へ配属されていきました。着々と印刷会社の仕事の基礎を身に付け、大学卒業を経て、1987年に正式に文星閣へと入社しました。
 30歳の節目となる1993年には5代目社長に就任し、先代社長である父・奥 隆雄から文星閣を引き継ぎました。そして当時の印刷業界ではほとんど普及していなかった「水なし印刷」に本格的に乗り出し、環境対応印刷に取り組む印刷会社として文星閣を転換させていきます。

(※2023年6月現在)

3)水なし印刷の先駆者として

 文星閣と「水なし印刷」との出会いは、1985年のことでした。
 導入の当初に注目されていたのは技術的な側面であり、細かな調整が難しい「水」を使うことなく、安定して機械を稼働させられる技術は非常に魅力的な革新でした。新たな技術を確立させるべくインキや機械設備の改良が重ねられていく中で、熟練のオペレーターでも経験の浅いオペレーターでも、一定の品質を保った印刷物を送り出すことができるようになりました。
 このように印刷現場では評価される一方、営業活動において「水なし印刷」を特別視されることはなく、お客様から要望されることもほとんどありませんでした。あくまでも自社の生産性を上げるため、若いオペレーターを育てるためといった、生産現場に必要な技術として受け入れられていたのです。バブル崩壊の煽りを受け、コストの高い「水なし印刷」を続けていくことに社内でも様々な議論が続く時代がありました。

 転機をもたらしたのは、93年に社長に就任した若き代表・奥 継雄の胸に浮かんだ想い──「印刷会社の社会的地位を向上したい」という”夢”でした。先代が夢見た「大きな工場」を叶えた今、印刷会社として社会にアピールできることはなんだろうか?
 90年代後半は、京都議定書を端緒とする地球温暖化や環境保護への意識が世界的に広まっていった時代でした。21世紀は環境の時代だ──そう気付いた奥は、水も空気も汚さない環境に優しい技術である「水なし印刷」を改めて文星閣の柱とする決断をしました。1999年に『BUNSEIKAKU Ecology Printing System(BEPS)』という、水なし印刷を含む印刷工程の包括的な環境対応および環境対応印刷製品のブランドを開始し、『環境問題に取り組む印刷カンパニー』へと文星閣は変貌していきました。

 2001年に文星閣は、アメリカ・ドイツに拠点を持つ水なし印刷団体WPAに加盟しました。「水なし印刷」を広めるためには日本支部の必要性を感じた代表・奥は、志をともにする印刷会社とともに活動を行いました。そして翌2002年に日本WPA(日本水なし印刷協会)が発足しました。現在は代表・奥が日本WPAの会長として、「水なし印刷」の普及に努めております。

 このようにして文星閣は「水なし印刷」と共に歩んでまいりました。


本コンテンツはウェブサイト「note」にて代表・奥継雄が連載している
「文星閣水なし印刷ストーリー」を元に作成しています。
ぜひnoteの記事もご覧ください!

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