ハピネスアワー参加デザイナー様インタビュー②

2026年 07月 30日 ハピネスアワー参加デザイナー様インタビュー②

ハピネスアワー参加デザイナー様インタビュー②

2026年2回目のハピネスアワーで、ポスター展にご参加いただいたデザイナーの皆様へのインタビュー企画!

作品に込めた想いや紙・印刷へのこだわり、そして印刷会社とのものづくりの可能性についてお話を伺います。

今回は、イラストレーター・グラフィックデザイナーとして活動されている福島さつき様にお話を伺いました。

グラフィックデザインとイラストレーションを中心に活動する福島様。今回のポスター制作に込めた想いや、紙・印刷への想い、そして文星閣との今後の可能性についてお聞きしました。

サウナの魅力と印刷表現を掛け合わせたポスター

――今回のポスター展では「BEYOND PRINTING」をテーマに作品を制作していただきました。作品に込めた想いや、制作時に意識されたことについて教えてください。

今回のポスターは、自分のライフワークでもあるサウナや銭湯をテーマに制作しました。以前から「好きなものをデザインや印刷表現と結び付けて表現してみたい」と考えていたので、今回のテーマはとても良い機会でした。

特にこだわったのは、はじきニスの使い方です。

サウナ室の中に広がる蒸気や熱気、湿度の高い空気感を表現したいと思い、はじきニスを全面的に使用しました。視覚だけでなく、実際に触れることで質感も感じてもらえるよう意識しています。

印刷物だからこそ、見るだけではなく体験として楽しんでもらいたいという想いを込めました。

“ととのう”だけではない、銭湯サウナの魅力

 

――私も温泉や銭湯が好きで良く行きます。一方で、サウナに入る機会は少ないのですが、どのような魅力を感じていますか?

スーパー銭湯にも魅力がありますが、私は街の銭湯に併設されたサウナが好きなんです。

銭湯はとても身近な場所ですし、忙しい日常の中で自分自身と向き合う時間を持つことができます。

また、日本全国には本当に個性豊かな銭湯がたくさんあります。浴室のタイルや建物の雰囲気、サウナ室のつくり、地域ごとの文化など、それぞれに特徴があります。

そうした違いを楽しみながら、自分のお気に入りの銭湯を探していくのも魅力のひとつです。

今回の作品を通じて、そんな銭湯文化にも興味を持ってもらえたら嬉しいですね。

デジタル時代だからこそ高まる紙の価値

 

――少し脱線してしまいましたが、話を戻しまして、デザイナーの立場から見て、紙や印刷ならではの魅力は何でしょうか?

電子書籍などが普及したことで、逆に紙の価値が高まっていると感じています。

最近はZINEや写真集なども人気ですが、「紙だから欲しい」「実際に手元に置いておきたい」という方は少なくありません。

画面では情報として見ることはできますが、紙には質感や重さ、手触りがあります。

さらに印刷には特殊加工や紙の選択など、さまざまな表現方法があります。作品としての魅力を高める要素がたくさんありますし、その可能性は本当に無限大だと思います。

同じデザインでも紙や加工が変わればまったく違う印象になります。そこが印刷物ならではの面白さですね。

初めて感じた「相談できる印刷会社」の存在

 

――印刷会社に期待する点や求める点はありますか?

実はこれまで、印刷会社の方と直接つながる機会はあまりありませんでした。

個人で活動しているとロット数の少ない案件も多く、「こういう相談をしてもいいのかな」と躊躇してしまうことがあります。

そもそも、クリエイターの話に耳を傾け、一緒に実現方法を考えてくれる印刷会社さんは本当に少ないと感じています。

そのため、今回のように相談しながら制作を進められた経験はとても新鮮でした。

文星閣さんは質問もしやすく、こちらのやりたいことを聞きながら進めてくださるので、とてもありがたかったです。

印刷会社とデザイナーの距離が近くなることで、もっと面白い表現や作品が生まれるのではないかと思います。

工場見学で知った印刷の奥深さ

 

――工場見学はいかがでしたか?

印刷工場を見学するのは初めてだったので、まず設備の大きさに驚きました。

普段は完成した印刷物を見ることがほとんどなので、実際にどのような工程を経て製品になるのかを見ることができ、とても勉強になりました。

版画の仕組みを発展させて機械化したような印刷工程にも面白さを感じましたし、インクの調色設備や搬送設備なども印象的でした。

特に驚いたのは、品質を支えているのが機械だけではなかったことです。

もっと自動化されていると思っていましたが、実際には職人の方々が目で色を確認し、細かな調整を行っていました。

人の経験や技術が品質を支えていることを知り、印刷に対する見方が大きく変わりました。

もっと印刷表現を追求してみたい

 

――工場見学を通じて、挑戦したいことは見つかりましたか?

たくさんありますね。

今回、はじきニスを使いましたが、グラデーション表現や立体感の演出など、まだ試していないことがたくさんあります。

「この加工をこう使ったらどうなるんだろう」というアイデアが次々に浮かんできました。

技術者の方と相談しながらなら、もっと凝った表現にも挑戦できそうだと感じています。

また、今回展示された10名の作品もとても刺激になりました。

事前に打ち合わせをしていたわけではないのに、全員がまったく違う表現をしていて、本当に面白かったです。

特に加工の使い方は勉強になることが多く、自分ももっと挑戦してみたいと思いました。

文星閣と一緒に実現したいこと

 

――今後、文星閣と一緒にやってみたいことはありますか?

まずは特色印刷ですね。

特色ならではの色表現はもちろん、印刷だからこそ実現できる表現をもっと追求してみたいです。

また、予算を度外視できるのであれば、アート作品として成立するレベルのポスター制作にも挑戦してみたいです。

今回のポスター展も非常に面白い取り組みだったので、継続的に開催しながら作品を蓄積していき、将来的にはもっと大きな展示につなげられたら素敵だと思います。

そのほかにも、調色体験会や印刷技術の勉強会、瀬高工場長によるセミナーなども面白そうですね。

クリエイターが印刷の仕組みや技術をより深く学べる場が増えれば、新しいアイデアや表現もどんどん生まれてくると思います。

また、今回のような取り組みをきっかけに、アイデアを出し合うところから一緒にものづくりができる関係が続いたら嬉しいですね。

「こんなことができそう」「こんな表現を試してみたい」といったアイデアを気軽に相談しながら、新しい挑戦につなげていけたらと思います。

おわりに

今回のインタビューでは、福島様が感じる印刷ならではの魅力や可能性、そして印刷会社とクリエイターが直接つながる価値についてお話を伺うことができました。

特に、「アイデアを出し合うところから一緒にものづくりをしたい」という言葉は、文星閣が目指すデザイナーとの共創のあり方とも重なります。

ハピネスアワーを通じて生まれたつながりが、新たな表現や挑戦につながっていくことを私たちも楽しみにしています。

文星閣では今後も、デザイナーの皆様を共に価値を創るパートナーとして、新しいものづくりに取り組んでまいります。

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インタビュー協力

イラストレーター・グラフィックデザイナー
福島さつき様


イラストレーター・グラフィックデザイナーとして活動。俯瞰・鳥瞰イラストや図解イラスト、イラストマップ、取材を含めたルポイラストなど情報を整理しわかりやすく伝えるビジュアル制作を手掛ける。

ライフワークとしてサウナ・銭湯をテーマにした作品制作や展示活動にも取り組み、イラストやデザインを通してその魅力を発信している。

2026年10月には、渋谷・奥渋のアソビシステム株式会社が運営するギャラリー「CARBON COFFEE SHIBUYA」にて、初個展『より道湯』を開催予定。

▶ ホームページ

https://yorimichi-d.com/

このたびはインタビューにご協力いただき、誠にありがとうございました。

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